活動レポート
2025年05月08日
日本海新聞コラム記事~地域の医療・福祉のあした~35

令和4年より、日本海新聞紙に‟但馬を結んで育つ会リレーコラム~地域の医療・福祉のあした~”が掲載されております。

令和7年2月は奥藤久記推進委員の寄稿です。

『薬局をもっと身近に!」

未病という概念をご存じですか?未病とは、病気と健康な状態の中間にある状態を指します。自覚症状がないものの健康状態が徐々に悪化している状態です。未病の状態を放置すると、病気に進行する可能性があります。

 脳卒中や心筋梗塞といった重大な疾患のリスクを下げるためには、未病段階からの健康管理が非常に重要です。特に医療過疎地域においては、疾患が発生した場合、都市部と比較して適切な医療機関への早期アクセスが困難になるケースも考えられるからです。

 「年だから仕方ない」「頑張っても変わらないし」「病気や検査値のこともよく分からんし、自覚症状もないし」―。そんな心の声で潜んだリスクを見逃していませんか?

 確かに、年齢を重ねるごとに体の機能は衰えていきます。しかし、それは決して「何もできない」とか「変わらない」という意味ではありません。適切な対策をとることで心身の健康を維持し、生活の質(Quality of Life=QOL)を高く保つことができるのです。そこで、心の声のままではなく、一歩進んで自分の身体を知り、健康意識を高めてほしいです。

 そこでお薦めしたいのが、気軽に相談できる薬局・薬剤師(かかりつけ薬局・薬剤師)を持つことです。薬局はお薬をもらいに行く所だけではなく、皆さまの健康をサポートする身近な存在です。

 体調にすぐれない、疲れやすいなどの変化▷処方箋薬や市販薬、サプリメントに関して▷食事、運動、睡眠など健康的な生活習慣へのアドバイス▷未病への対処法―など、また「クリニックに相談するほどでは…」という場合でも、ぜひ薬局に相談してみてください。

 そんなかかりつけ薬局を持つことで、継続的な健康管理を受けることができます。薬剤師は地域の健康をサポートするパートナーです。薬局を積極的に活用することで、健康寿命を延ばし、より豊かな生活を送ることができるでしょう。

日本海新聞 2025年2月28日金曜日 024ページ

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